日曜日、よつば農場さんの稲刈りに行った連れあいと子どもを迎えに行った時のこと。
子どもの胴ほどの太さのある樹があった。
私はその樹に近づき、じっと見ていた。
もうそれは枯れているようで、緑の葉は1枚も見当たらない。
緑の葉どころか、茶色く枯れた葉さえも見られない。
子どもの胴ほどのある幹からは四方に枝が伸びている。
私が、思わず近づいたのは、その幹と枝にたくさんの太いとげがあったからだ。
この樹は「からたち」だか、「ゆず」だかという話だ。
このとげとげの樹をじっと眺めていて、子どものころに読んだ、「いばら姫」を思い出していた。
この樹がお城を囲んでいたら、入っていくのは躊躇するだろう。
私は、つい一歩後ずさりした。
その途端、後ろに引いた右足のかかとに激痛が走った。
片足で道路まで出てサンダルを履いていた足を見た。
何も刺さっていない。
いや、釘のようなものが、サンダルのかかとの部分から突き抜けている。
これがかかとに刺さったのだ。
サンダルを脱いで、裏にすると、これが刺さっていた。
この木のとげだ。
大きさは、ボールペンと比べると、このぐらい。
久々に経験した痛さだった。
痛さにもびっくりだったが、この太いとげに感動もした。
人が踏んでも折れることのない、硬いとげ。
きっと昔の人はこのとげを上手く利用したのではないだろうか。
そんな話をよつば農場さんにしたら、効果があったかわからないが猪よけに畑のそばに置いたという。
猪もこれには参るだろう。
忍者のまきびしみたいなものだ。
かかとは、よつば農場さんが「びわの葉焼酎」で消毒してくださった。
感謝。
そのおかげもあって、もう痛みはない。